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多摩88ヶ所巡りと道草
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多摩88ヶ所寺院の所在
  (多摩八十八ヶ所巡拝のしおりより)
多摩88ヶ所寺院一覧表
  (多摩八十八ヶ所巡拝のしおりより)
多摩88ヶ所巡りの縁起
総合幹事 青野淳美 榎本奎介
納経「般若心経」青野逢風







多摩88ヶ所寺院の所在
 

龍華会本部発行「多摩八十八ヶ所巡拝のしおり」より








多摩88ヶ所寺院一覧表

第01番 岸光山 安養寺 豊山派 不動 明王 武蔵野市吉祥寺東町1-1-21
第02番 八幡山 延命寺 智山派 文殊 菩薩 武蔵野市八幡町 1-1-2
第03番 神龍山 井口院 真言宗 薬師 如来 三鷹市上連雀 7-26-26
第04番 応神山 長久寺 真言宗 大日 如来 三鷹市大沢 2-2-16
第05番 三栄山 大正寺 真言宗 大日 如来 調布市調布ヶ岡 1-22-1
第06番 医王山 常性寺 豊山派 薬師 明王 調布市国領町 1-2-8
第07番 草香山 威光寺 豊山派 大日 如来 稲城市矢野口 2,411
第08番 岩船山 高勝寺 豊山派 大日 如来 稲城市坂浜 551
第09番 権現山 宝蔵院 豊山派 不動 明王 稲城市坂浜 2,995
第10番 見星山 高蔵寺 豊山派 大日 如来 町田市三輪町 1,739

第11番 瀧本山 慶性寺 真言宗 大日 如来 町田市大蔵町 2,177
第12番 岩子山 千手院 豊山派 千手 観音 町田市小野路町 2,057
第13番 青木山 東福寺 智山派 不動 明王 多摩市落ち合い 1,186
第14番 唐沢山 吉祥寺 智山派 不動 明王 多摩市乞田 303
第15番 和中山 高蔵院 智山派 不動 明王 多摩市和田 728
第16番 慈眼山 観音寺 豊山派 聖 観世音 多摩市関戸 915
第17番 清谷山 真照寺 智山派 大日・千手観音 日野市落川 1,113
第18番 神秀山 法音寺 豊山派 不動 明王 府中市住吉町 1-47-2
第19番 八幡山 最照寺 智山派 不動 明王 八王子市大塚 521
第20番 吟松山 正光院 豊山派 不動 明王 府中市住吉町 3-2-11

第21番 梅華山 高明院 豊山派 不動 明王 府中市分梅長 1-13-1
第22番 大悲山 普門寺 真言宗 薬師 如来 府中市宮町 3-17-1
第23番 本覚山 妙光院 豊山派 地蔵 菩薩 府中市本町 1-16-13
第24番 是政山 西蔵院 豊山派 大日 如来 府中市是政 3-35-10
第25番 泰明山 宝性院 豊山派 薬師 如来 府中市是政 2-7-13
第26番 立川山 正楽院 智山派 大日 如来 立川市羽衣町 2-42-27
第27番 福寿山 観音寺 真言宗 聖 観世音 国分寺市西町 2-27-8
第28番 武野山 東福寺 真言宗 大日 菩薩 国分寺市西恋ヶ窪 1-39-5
第29番 医王山 国分寺 豊山派 薬師 如来 国分寺市西元町 1-13-16
第30番 貫井山 真明寺 豊山派 大日 如来 小金井市貫井南町 3-8-4

第31番 天神山 金蔵院 豊山派 十一面観音 小金井市中町 4-13-25
第32番 鈴木山 宝寿院 豊山派 不動 明王 小平市鈴木町 1-129
第33番 田無山 総持寺 智山派 不動 明王 田無市本町 3-8-12
第34番 慈光山 宝樹院 智山派 薬師 如来 西東京市泉町 2-7-25
第35番 光明山 如意輪寺 智山派 大日 如来 西東京市泉町 2-15-7
第36番 金輪山 宝晃院 智山派 不動 明王 西東京市住吉町 1-6-5
第37番 宝塔山 多聞寺 智山派 毘沙門 天 東久留米市本町 4-13-16
第38番 愛宕山 円乗院 智山派 不動 明王 東大和市狭山 3-1,354
第39番 輪王山 三光院 豊山派 阿弥陀如来 東大和市清水 4-1,132
第40番 石澤山 蓮華寺 豊山派 不動 明王 東大和市芋窪 3-1,603

第41番 白部山 慶性院 豊山派 不動 明王 東大和市芋窪 6-1,353
第42番 龍華山 真福寺 豊山派 薬師 如来 武蔵村山市仲藤 1-37-1
第43番 七国山 薬王寺 豊山派 薬師 如来 青梅市今井 1-2,520
第44番 星谷山 真浄寺 豊山派 虚空蔵菩薩 青梅市谷野 193
第45番 成木山 安楽寺 単  立 愛染 明王 青梅市成木 1−583
第46番 龍光山 梅岩寺 豊山派 虚空蔵菩薩 青梅市青梅 235
第47番 青梅山 金剛寺 豊山派 不動 明王 青梅市青梅 1,032
第48番 大柳山 東光寺 豊山派 地蔵 菩薩 青梅山青梅 1,356
第49番 高木山 常福院 豊山派 不動 明王 青梅山成木 7-1,192
第50番 金剛山 宝蔵寺 豊山派 不動 明王 西多摩郡檜原村 3,863

第51番 愛宕山 即清寺 豊山派 大忿怒明王 青梅市柚木町 1-4-1
第52番 友田山 花蔵院 豊山派 十一面観音 青梅市友田町 4204
第53番 登覚山 西福寺 豊山派 不動 明王 日の出町大久野 712
第54番 登覚山 光明寺 豊山派 不動 明王 日の出町大久野細尾 3,521
第55番 仏石山 西光寺 豊山派 不動 明王 日の出町平井 2,145
第56番 月向山 常福寺 豊山派 不動 明王 日の出町平井 3,687
第57番 鎮守山 大行寺 豊山派 不動 明王 あきる野市草花 3,036
第58番 引田山 真照寺 豊山派 不動 明王 あきる野市引田 863
第59番 金色山 大悲願寺 豊山派 大日 如来 あきる野市横沢 134
第60番 宝生山 大光寺 豊山派 十一面観音 あきる野市高尾 218

第61番 今熊山 正福寺 豊山派 薬師 如来 八王子市上川町 377
第62番 田守山 大仙寺 豊山派 不動 明王 八王子市上川町 3,502
第63番 犬目山 安養寺 智山派 不動 明王 八王子市犬目町 1,084
第64番 涼水山 西蓮寺 智山派 不動 明王 八王子市大楽寺町 566
第65番 大幡山 宝生寺 智山派 不動 明王 八王子市西寺方長 998
第66番 千手山 浄福寺 智山派 大日 如来 八王子市下恩方町 3,259
第67番 一乗山 吉祥院 智山派 大日 如来 八王子市長房町 58-3
第68番 高尾山 薬王院 智山派 飯縄大権現 八王子市高尾町 2,177
第69番 宝生山 金南寺 智山派 阿弥陀如来 八王子市西淺川町 139
第70番 正名山 大光寺 単  立 阿弥陀如来 八王子市初沢町 1,352

第71番 常光山 真覚寺 智山派 不動 明王 八王子市散田町 5-36-10
第72番 摩尼山 萬福寺 智山派 大日 如来 八王子市みどり町 235
第73番 慈高山 金剛院 高野山 不動 明王 八王子市上野町 39-1
第74番 南清山 観音寺 智山派 十一面観音 八王子市万町 125-1
第75番 医王山 妙薬慈 単  立 不動 明王 八王子市元横山町 2-18-1
第76番 龍華山 大義寺 智山派 薬師 如来 八王子市元横山町 2-8-4
第77番 安栄山 福傳寺 智山派 不動 明王 八王子市明神帖 4-10-6
第78番 鳥栖山 長福寺 智山派 不動 明王 八王子市川口町 2,722
第79番 増宝山 龍光寺 智山派 大日 如来 八王子市宇津木長 738
第80番 宮沢山 阿弥陀寺 智山派 阿弥陀如来 昭島市宮沢長 140

第81番 金東山 西蓮寺 智山派 大日 如来 八王子市石川町 13
第82番 清満山 天龍寺 智山派 不動 明王 八王子市北野町 532-2
第83番 有王山 延命寺 智山派 地蔵 菩薩 日野市川辺堀ノ内 595
第84番 土渕山 普門寺 智山派 大日 如来 日野市日野本町 7-5-19
第85番 田村山 安養寺 智山派 阿弥陀如来 日野市下田 31
第86番 愛宕山 石田寺 智山派 延命地蔵尊 日野市石田 145
第87番 平水山 寿徳寺 智山派 大日 如来 日野市南平 4-11-10
第88番 高幡山 金剛寺 智山派 大日・不動  日野市高幡 733

龍華会本部発行「多摩八十八ヶ所巡拝のしおり」より









多摩88ヶ所巡りの縁起

総合幹事 青野淳美 榎本奎介


 三菱系企業を定年退職して首都圏に住む人々の中で、パソコンを楽しむことで集う「ダイヤネッ
ト」と言う高齢者のグループがあり、そのグループの年中活動行事の 一つに33名の会員を擁す
るする「観音札所巡り」がある。

  平成12年に10名で歩いた秩父三十四観音札所巡りは、その記録を翌年開催され たインター
ネット博覧会に"楽網ウオーカーズが楽しむ「秩父34観音巡り」"と題して 「好縁楽縁の館」に出
展した。

  続く平成13年は、参加者も23名と増加し、歩行距離 延べ1300kmに及ぶといわれる「坂東三十
三観音札所巡り」をマイクロバスを利用して、10回に分けて巡拝した。

    武 甲 山 平成12年11月23日撮影
 坂東第一番札所杉本寺 平成13年1月31日撮影

 そして平成14年は、「午歳総開帳秩父三十四観音巡り」と、「武蔵野三十三観音巡り」の二手に
分かれて巡拝し、11月13日(水)第6回の午歳総開帳秩父巡りで両者が合流、これまで最高の
27名の参加者で、めでたく結願の御朱印を頂いた。
 
       秩父第3番常泉寺「聖観世音菩薩」02.4.11    武蔵野第21番高正寺「羅漢」02.5.22

  これらの模様は、ダイヤネットHP( http://www.dia-net.jp/ )の「ダイヤネット観音巡り」に詳
しく掲載されている。
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 翌平成15年以降 何処を巡るか?が「午歳総開帳秩父三十四観音巡り」の満願を果たした帰り
のバスの中で論議された。

 西国三十三観音巡りや四国八十八ヶ所巡りを希望する人もいたが、団体としてこ れを往くには
時間的制約が大きく、候補地を日帰りの出来る関東地区に絞って話し 合った結果、大多数の賛
成を得て「多摩八十八ヶ所巡り」が決定し、その場で推挙さ れた総合幹事に、15年度のスケジュ
ール作成が一任された。

 因みに、多摩八十八ヶ所は、昭和9年の宗祖弘法大師ご入定1100年ご遠忌を 記念して、多
摩地方の真言宗寺院八十八ヶ寺で再編成された、四国八十八ヶ所霊場のうつしである。


 年が明けて早々平成15年度「多摩八十八ヶ所巡り」のスケジュールが出来上がった。3月にス
タートし、8月はお休みとして11月まで、原則として毎月の第1火曜日を開催日とし、8回の巡行で
第1番安養寺から第42番真福寺までの42寺院を巡る計画である。
  
 参加者は全てパソコンを持ち、連絡はメールとすることは従来と変りはないが、今回の多摩巡
りから新たに取り入れた趣向が二つある。

 一つは、札所寺院の巡拝のみに終るのではなく、東京の西に広がる多摩地区の名所旧跡、公
園、庭園や文化施設を、極力見て回ること ( このことを「道草」と呼ぶことにした )。

 もう一つは、年度初めに各回ごと複数の当番幹事を決め、当番幹事は担当する回の予定を計
画立案し、当日の行事の一切を取り仕切る、こととしたことである。

 参加者一同は、第一番札所安養寺でお世話頂いた龍華会本部発行の「多摩八十八ヶ所巡拝
のしおり」を貴重なガイドブックとして活用することとし、平成15年3月4日(火)第1回“「多摩88ヶ所
巡り」と道草”の幕を切って落としたのである。







納 経 「 般 若 心 経 」

青野 逢風


 あれは、もう30年以上も前になるだろうか、週休2日制が定着した頃、新宿の住友
三角ビルに朝日カルチュアセンターがオープンし、その講座の中に「写経」があった。
 
 弘法大師空海の書いた「般若心経」をお手本に、二年ほどそこに通った。その後は我
流で、暇をみては筆を持つが、これまでに満足のいく書は一枚も無い。

お手本に使用した 弘法大師空海の直筆 「般若心経」

 大般若経600巻の集大成ともいわれ最も短く(262文字)最も重要な空の経典「般
若心経」のサンスクリット語の漢訳は八本もあるといわれるが、玄奘訳が最も流布し
て、現にほとんどの宗派がこれを用いている。
 
 般若心経の冒頭を飾る「観自在菩薩」は原語(Avalokitesvara) を玄奘が意訳した
もので、我々が目にし、耳にする「観世音菩薩」、略して「観音菩薩」または「観音
様」は、鳩摩羅什が原語を音訳したものだと言われている。 

 その最も古い、西暦紀元前後に書かれたと推定されるサンスクリット語版の「般若心
経写本」が母国インドでも、中国でもなく、何故か日本の法隆寺に収められてあるとい
う。615年第4回 遣隋使 小野妹子が持ち帰ったという説もあるが、どうして法隆寺に
あるのか?その伝達経緯については、今もって定かではない。


 般若心経の真髄は、色即是空、空即是色、この二つの空にあると考えられている。

    武蔵野第一番長命寺「千手観音像」
 (02.2.16)
 多摩第三番井口院「弘法大師像」
(03.3.4)
      
 空とは、それまでの経典とは全く関連を持たない新しい般若経典群によって世に出て
いる。前者の空は、「全ては無に帰する」現世無常の否定的、消極的な空であり、後者
の空は、「実体の無いところから あらゆるものが形成される」現世に肯定的で積極的
な空である。

 「色即是空」仏教がブッダの無常の教えを保ちながらも、「空即是色」この世から消
え去ったものが、またこの世に現れる、無限の繰り返す循環こそが宇宙自然の摂理であ
るという「空」を明示し、仏教が大乗化する道標となったと考えられるのである。
 


 昔は写経を納めた証として、その寺院とご本尊のご朱印を戴く慣わしであったそうだ
が、今は本堂の前でご詠歌や読経する参拝者は見かけるが、納経者は少なく稀なケース
となっているようである。
 
 2,000年に始まる秩父、そして坂東、武蔵野と観音札所巡りで私が納めた般若心経は
100枚を超え、これから巡拝する多摩88ヶ所寺院に納める「般若心経」も既に出来あが
って、まだ余裕もある。
 
 ダイヤネットとDAA(ダイヤ・アクティブ・エイジング)を共有する会員有志の「年中
活動行事」として定着した、この「古寺巡り」とともに、これからも「般若心経」を書
き続けていきたいと考えている。

           参考文献「ブッダ大いなる旅路」NHKスペシャル




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